原宿アストロホールは超満員！
新旧ファンが栄喜の歌に酔いしれた

梅雨らしく蒸し暑い土曜日の夕方。
原宿アストロホールの周辺には、今日のライブを待つファンが集結していた。ファンの中には、バンド時代からずっと応援しているのだろうと思しき人、
バンド次第をリアルタイムでは知らないのでは？というくらい若い人、
女子だけでなく、男子も相当数いる。栄喜のファンは実に幅広い。
友人同士来ているという人も多いなか、一人参戦もかなりいた。お、いいぞ！私自身も一人でライブに足を運んだりするので、なんだか個人的に肩入れしてしまう。

18時の開演前、ALLスタンディングの会場内は超満員。黒いツアーTシャツ＋タオルやリストバンドをしたファンも大勢いる。いいぞ！いいぞ！なんだか夏っぽいじゃないか。まだ梅雨はあけてないけど、早くも夏の熱気が漂う。

4曲目の「Oh　happy day」の間奏で、栄喜の表情にふっと笑みが浮かんだのが見て取れた。これで今日の調子は万全といったところか。その流れにのって5曲目「Wonder Wish」へ。栄喜の「Are you ready？」という呼びかけに、「1、2、3、4！！」と応えるファン。盛り上がるライブにさらにギアがかかった瞬間だ。そういえばこれはソロ活動のベスト盤「栄喜Zero 〜Returning〜」を引っ提げてのツアー。パフォーマンスする曲もベスト盤からの曲だらけ。盛り上がらないはずはない！

MCでは、「今日はさ、みんな窮屈だよね？隣の人とも近いしさ。恋とか芽生えたりすんじゃないの？・・・・・結婚式には、呼ばないでください」
ひとしきりの笑いのあとの
6曲目「戦争反対」から「STOP」「ベロベロバー」「DIGITAL MASTER」と重厚な曲で聞かせてくれる。

バンド時代はもっと金属っぽい声というか、（今も彼特有のハイトーンボイスは変わらないが）そんな印象を持っていた。

11曲目「時の流れ」では、とても気持ちよさそうに歌う栄喜に会場は酔いしれた。

その後「Go」「DNA」「Glorious」と続く。もはやここまで来たら栄喜ワールドに会場内はどっぷり包まれている。まっすぐ栄喜に注がれている視線の数々。一緒に唄う人、じっくり聞く人、うっとり聞いている人それぞれが楽しんでいる。

「Glorious」の曲終わり、ファンが一瞬きょとんとなった。栄喜がMCで「今すごい終わり方したね」と。いつもと違う曲終わりだったようだ。「いいんじゃない？」と栄喜。そんなことが起こりうるのもライブの魅力だ。

15曲目「Start」のあとは「JUMPING JUNKIE」。曲に合わせてジャンプするファン。ライブは佳境だが、まだまだココカラ！ファンも前のめりになるが、オールスタンディングならそれもOKだ。この盛り上がりに栄喜もうれしそうな表情を見せる。曲が終わるやいなや、すぐさま「We can be」へ。あっという間だが本編終了！突風のように過ぎていくライブ。

栄喜がいったん退場し、会場が暗転するとアンコールがかかる。
再びステージが明るくなると、栄喜がツアーTシャツを着て登場。
自分の名前がフロントプリントされているのを「恥ずかしいよね」と。
ん、、まぁ言われてみれば確かに（笑）。その後、メンバー紹介へ。

アンコールは「あのゴール成し遂げる所まで」「声に…」と続く。ファンと一緒になって歌うのは栄喜も嬉しそう。かえってくる反応をしっかりかみしめるように受け取っているように見える。

再度のアンコール後、三たび登場。「RISKやります」と栄喜。わきおこる歓声。SIAM SHADE時代の曲がここで披露された。盛り上がるファンに栄喜は声で応える。

次はいよいよこの日最後の曲。。なのだがここに入るまでのMCがこの日最長（笑）。これまでの短いMCを取り返すかのようだ。本人は「ますます入りづらくなった」というが、話を聞けることもファンにとってはありがたい話。

一応、列挙しておくと
「以前はPCとかなくて詞を書くのは手書きだった」⇒「当時の記録媒体はフロッピーだった」⇒「フロッピーといえば、ドクター中松だよね」と話は栄喜が好きなドクター中松氏の話題へ。その後も話はコロコロ展開していく。

「身長の高さが理由で気に入る服がなかなか見つからなくて困る」⇒「バンド時代は、SOPHIAの衣装がうらやましかった」などなど（笑）。

というわけで「一緒に唄っていきましょう」と言って、最後の曲「マーマレード」。聴かせるバラードの後、会場は惜しみない温かな拍手と、満足そうなファンの笑顔でいっぱいになった。
栄喜がステージから退場後も会場内からは去りづらいファンの歌声が聞こえてきていた。

■ライブ終演後インタビュー

　Q. 本日のライブは、どうでしたか？
ハプニング、あったよね！若いころは、ハプニングがあると少しイラっとすることもあったけど、今はそういうハプニングをむしろ利用して、来てくれるお客さんの気持ちを盛り上げるようにしてます。

　Q．今回のツアーの目的は何ですか？
ソロとしてちゃんとやっていきたいからという気持ちが大きい。以前の曲もやるしかないな！という感じ。

　Q．今回のアルバムリリースについて、なぜこのタイミングになりましたか？
所属事務所が変わったんで、新しいファンの人たちが昔の曲を気軽に聞いてもらえるように、ベスト盤という形でリリースしました。

今年は、限定的ではあるがSIAM SADEとしての活動も控えている栄喜。
ソロもバンドも見られるファンにはたまらない一年に違いない！

[TEXT by FujikOO ]
[PHOTOS by Yuji Honda]