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LIVE REPORT

たこやきレインボー

なにわンダーランド2014

2014.11.23 sun at 東京・日本青年館 [大ホール]

なにからナニまで浪花色!たこやきレインボー、はじめての東京ワンマン大成功!

 11月23日、東京・日本青年館にて、たこやきレインボーの単独公演『なにわンダーランド 2014』が開催された。大阪を拠点とする彼女達が東京での初ワンマンに選んだのは、事務所の先輩であるももいろクローバーZや私立恵比寿中学もかつてライブを行ってきた場所、日本青年館。初めての東京ワンマンでいきなり青年館!?という驚きに加え、チケットはなんと即完売。この勢いはただごとじゃない…!高まる期待をいざ胸に会場へと足を踏み入れると、カラフルな”推し色”に身をつつんだ超満員のたこ虹家族(ファンの総称)も、同じく今か今かと開演を待ちわびていた。

 ド派手な看板、道頓堀川に掛かる戎橋…”浪花・大阪”を連想させる華やかなステージを前に、観客の期待が最高潮に達した所で、いよいよ開演。「なにわンダーランド オープンです!」とアナウンスされると、新たに制作された『overture』が鳴り響く。ステージ上に5人が登場し一曲目のイントロが流れると、客席からは「おぉ!」という声が上がり、いきなりのキラーチューン『なにわのはにわ』でライブをスタートさせた。続けて『レインボーレボリューション』『オーバー・ザ・たこやきレインボー』を披露し終えると、春名真依の「もうかりまっかー?」の掛け声に、観客は即座に「ぼちぼちでんなー!」と応える。息ぴったりの関西弁のコール&レスポンスで、ここは本当に東京・日本青年館なのか…?と思ってしまう程の一体感が早くも出来上がっていた。 
 続いての自己紹介では、根岸可蓮が新しい紹介フレーズを初お披露目…。ちなみにその新しい紹介フレーズは「カラフル(れんれん)パワフル(れんれん)元気に舞台でぴょんぴょんぴょん」というもの。ぜひ覚えて、ライブでは”れんれん”の部分を叫んでみよう。

 清井咲希の「”なにわンダーパレード”スタート!」という合図でライブは再開。アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」関連楽曲であり、かつては事務所の先輩ももいろクローバーZもカバーしていたことのある『最強パレパレード』を披露。曲中、春名と堀くるみが客席通路へと飛び出すと、会場は大盛り上がり。客席のいたる所から歓声が上がっていた。
 そして、ここからは初披露曲連発のソロ&ユニットコーナー。まずは春名がキッズダンサーを引き連れ、一度聴いたら頭から離れない、お茶目な自己紹介ソング『まいっちんぐ☆まいまいマジック』を披露した。続いてピンクのドレスで登場した彩木咲良と少年のような格好の根岸が披露したのは、なんと前代未聞のミュージカル風楽曲『道子とクラリス』。自由を求めるお姫様クラリス(彩木)と貧しくも自由に生きる道子(根岸)が、実は生き別れた姉妹だと判明するというストーリーに、会場は感動と戸惑いと爆笑の入り交じる異様な盛り上がりで、最後には道子・クラリスコールが沸き起こっていた。そして清井と堀は、90年代のTKサウンドを彷彿とさせる『15のメランコリー』を披露。子どもと大人の狭間で揺れる気持ちを歌い上げ会場を魅了した。
  ライブはあっという間に終盤戦。『絶唱!なにわで生まれた少女たち』で会場の温度を一気に上昇させると『めっちゃFUNK』では春名が「来たで日本青年館ー!」と叫び、観客を大いに沸かせていた。そして最後はバラード『みんなのうた』で幸せな空気に包まれる中、「まいどおおきに!」の決め台詞を残しステージを去って行った。

 大きな拍手の後、ほどなくしてアンコールの声が上がり、メンバーは改めてステージへ。彩木の「全員盛り上がってくぞー!」というかけ声から、まずは『六甲たこおろし』でアンコールスタート。『365 Go!』では彩木と根岸が通路へと飛び出し客席は再びヒートアップ。なかでも根岸は着けていたヘッドドレスが吹っ飛ぶほどの全力ダンスで、観客を煽り盛り上げていた。『踊れ!青春カルナバル』では最後にメンバーカラーのテープが噴射され、会場のテンションは最高潮に。このテープには50本だけ、メンバー手書きのメッセージが書かれていたという。運良くそれを手にしたたこ虹家族の興奮気味に喜ぶ姿が印象的だった。

 5人は最後にそれぞれの思いを語り出す。春名は「青年館に立っているのは夢みたい」と、いまだに信じられないといった様子で優しく会場を見渡し、根岸は「ここまで来れて本当に嬉しいし楽しい。そう思えるのはたこ虹家族やメンバー、スタッフのおかげ」と感謝の気持ちを伝えた。清井は「一番目指したいのは甲子園」と、彼女たちの目標である兵庫・甲子園球場への想いを語ると、観客からは大きな歓声が上がっていた。実は本番前に緊張のあまり泣いてしまったという彩木だったが、挨拶では「支えてくれてる方全員に恩返しがしたい」としっかりと気持ちを語る。ラストのリーダー堀は「あー、えっと、んーと…」としどろもどろになり、話題は脱線と迷走を繰り返し、会場の笑いを誘う。しかし最後には「自分が純粋に思うのは、ありがとう、ということです」と、シンプルながら素直な言葉で伝えた。そしてラストナンバー『ちゃんと走れ!!!!!!』で会場がタコリウム(たこやきレインボー公式ペンライト)の光と幸福感に包まれ、記念すべき東京初ワンマンは幕を閉じた。
 なお、今回のライブで初披露されたソロ&ユニット曲は、12月23日に兵庫・阪急西宮ガーデンズで行われるクリスマス&堀くるみ生誕祭イベントの物販会場にてミュージックカードで限定販売される。

 日本青年館を見事に浪花色に染め上げたたこやきレインボー。可愛らしい立ち振る舞いでアイドル性の高さを見せつけたかと思えば、無邪気にはしゃぎ笑う姿はまだあどけなさの残る子ども。そんな今しか、彼女たちにしか作り出せない絶妙なバランスが、観客を魅了し、このライブを大成功へと導いていた。そして、きっともっと大きくなってゆくのだろう、そんな予感をビシビシと感じるライブであった。
 これから先も一瞬たりとも目が離せない。甲子園球場で「まいどおおきに!」と叫ぶ彼女達の姿を見るその日まで。

[TEXT by Reina Hikasa]
[PHOTOS by Tsuzie Jacky]



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